ケーキの上で虫が大量に!? VRで“認知症の世界”体験してみた
「“認知症の世界”を、仮想現実の中で“自分に起こった出来事”として疑似体験してもらいます。『あの人の行動は認知症だからしょうがないよね』という考えが、変わるかもしれませんよ」
そう話すのは、サービス付き高齢者向け住宅「銀木犀」などを運営するシルバーウッド代表の下河原忠道さん。認知症への正しい理解を広める「VR認知症プロジェクト」を全国で行っている。認知症の人や介護者の証言をもとに製作された5分程度のストーリーを、VR(バーチャル・リアリティ=仮想現実)の技術を使って体験するもの。’16年5月にスタートしてから、すでに7,000人以上が体験しているという。
さっそく、記者も試してみることにーー。最初のストーリーは立って体験するということで、椅子から立ち上がり、ゴーグル型のVR端末とヘッドホンを装着。視界が明るくなると、遠くにスカイツリーが見える。
すぐ下では小さく車が走っているので、どうやら高いビルの屋上の端にいるよう。360度見渡すことができ、きょろきょろと確認していると、そばにいる人が笑顔で話しかけてくる。