貧困と暴力からNYと娘を守る!日本女性の現地警察の決意
(撮影:田中克佳/取材協力:NY1PAGE)
「この仕事を続けるのは、もちろん、娘と2人、生きていくためです。でも、それだけじゃないな。自分でも最近わかってきたことですが、私はDV被害者や困窮家庭の子どもを助けたいんです」
全米最大の規模を誇る警察組織、ニューヨーク市警察(以下・NYPD)。約3万6,000人の制服警官が籍を置く。ガイ京美さん(46)はその中の、ただ1人の日本女性だ。京美さんがNYPDに入ったのは約10年前のこと。半年間の警察学校と、1年間のクイーンズ区での勤務を経て、8年前から現在の23分署に所属。同署が管轄するのは、マンハッタンの北部、とくに治安の悪さで知られる地区、スパニッシュ・ハーレムだ。
相棒警察官と2人、パトカーに乗ってその地区を巡回するのが京美さんの日課だ。
京美さんは’70年10月13日、愛知県に生まれた。建設関係の父親の仕事の都合で、子どものころは引っ越しばかり。
「父は、たまに酔っぱらってフラッと帰っては、大声で怒鳴り、母を殴りました。だから子どものころ、私はぐっすり眠れたことがありません。