「自分勝手で嫌な男に見えてしまってもしょうがないのかな、と。むしろ、そこをうまく表現できたらいいね、行定(勲)監督とも話していたので、思い切って演じました」
そう話すのは、主演映画『ナラタージュ』(10月7日公開)で、元教え子・工藤泉(有村架純)との禁断の愛に落ちる高校教師・葉山貴司を演じている松本潤(34)。
物語は、葉山への断ち切れない思いを抱える泉の目線で進んでいく。葉山は突然、離婚できない妻の存在を明かしたかと思えば、夜中に呼び出して弱い部分を見せてみたり、と泉を翻弄する行動をとるのだが……。
「切り取られているシーンだけ見たら、葉山は自分勝手な人に見えるかもしれない。でも、教師になったくらいなので、もともと正義感は持っているはずだし、自分の奥さんのことも、責任感があったがゆえに、抱えきれずに道をそれてしまったんだと思うんです。泉と葉山は、孤独で、救いの手が欲しかったときに、たまたま導かれるように出会ってしまった。是とか非よりも、二人がなぜ引かれあい、どう思っているのかを大事にしたほうがいいんじゃないかと思って演じていました。