70代で地方移住…女優・山本陽子が送る“終活主婦業”
せっかくの終の棲家ですから、思い切って物を減らして、理想の暮らしに近づけたいと取り組んだのです。いわゆる断捨離ですね」
引っ越しは大変だったが、移住を決意したおかげで、海にも近い、四季折々の自然に囲まれた環境で、ときには新緑、ときには紅葉を愛でながら、心癒される生活を送っているという。
「歩いてスーパーへ行き、重い袋をぶら下げて帰ってきて、吟味した食材を調理していただいています。70代にして自分が主婦業に向いているのだということに気づいたのです。もう一つ気づいたのは、日常の中には、いつでも小さな幸せが転がっているということ。道端に生えていた雑草を一房切って、生けてみたら、部屋の雰囲気が一変したこともあります。小さな幸せを見つけているだけで、寂しいなんて感じる暇もなく、一日はあっという間ですね」
若いころは外出好きで、家の中での楽しみ方を知らなかったそう。ところが、いまは掃除に洗濯、料理といった家事に、読書をしたりお茶をたてたり、お客さんをもてなしたりといった時間を、しみじみと楽しめるようになった。
「これは1人でいることの幸せでもあると感じています。