「沢山の幸せと愛情をありがとう」20歳で逝去した女性がノートに遺した言葉
’96年5月7日、千葉県船橋市で生まれ、2歳下に妹がいる。母・麻紀さんは、里菜さんが小3のころに離婚。女手一つで、娘2人を育ててきた。
「99.9%の確率で小児白血病と思われます」。自宅近くの病院の医師は、麻紀さんだけを診察室に呼び、そう告げた。思いもよらない病名だった。’11年6月9日。里菜さんは15歳。
中学3年生だった。その足で、紹介された千葉県こども病院へ向かい、即日入院。こども病院の方針で、里菜さんは、主治医と1対1で白血病の告知を受けている。入院は半年から1年。
「告知を受けて、里菜は泣いていました。でもそこからが里菜の切り替えのすごいところ。いっとき泣いた後は、元気なんですよ。入院病棟に入ったころには、『泣いたって騒いだって(病院を)出られるわけじゃない。
だったら治そうか』と気持ちを切り替えていました」(麻紀さん)
すぐに輸血と抗がん剤治療が始まった。いっぽう、娘の病いをなかなか受け入れられなかったのは、麻紀さんのほうだった。
「最初の1カ月くらいは、里菜と同じくらいの年の子が楽しそうに遊んでいる姿を見ると『なんでうちの子だけが……』と思うわけですよ。