未来をノートに託して…白血病で逝った20歳女性の壮絶闘病
今度はドナーバンクを利用し、寛解している。高校3年の夏を過ぎたころ、退院すると、里菜さんはさらにパワフルになった。あれもやりたい、これもやりたいと、駅前にあるファミレスの厨房でバイトを始めた。
里菜さんは高校卒業後は、管理栄養士を目指して、華学園栄養専門学校に入学。しかし、夏が終わり、9月になると嘔吐が止まらなくなり、再び入院。移植後の長期的副作用が疑われたが、11月6日の血液検査で、2度目の再発だとわかった。告知は、母娘一緒に受けた。その後、検査の処置を受ける里菜さんを残して、診察室を出た麻紀さんに主治医は「3度目の移植はできないんです。
これ以上は里菜さんの体がもたない」と告げた。
未来ノートを始めたのは今年の1月から。里菜さんは、未来ノートの真ん中のページに、力強くこう書いている。
《新薬ができる。病気とともに生きる》
里菜さんが静かに息を引き取ったのは、4月26日の朝だった――。
金澤家のリビングには、シンプルでオシャレな白木の仏壇が、開放的な木目調のラックに納められている。仏壇は、扉が閉じないオシャレ仏壇がいい、お葬式にきてほしい人たち、その人たちに伝えるための連絡網……。