美智子さま 83歳お誕生日の「お言葉」に世界中から喝采の声
「ICAN」の受賞は、条約制定に果たした役割を高く評価されてのものだった。「ICAN」国際運営委員の川崎哲さんに話を聞いた。
「実は、この美智子さまのお言葉には、すでに世界中から“喝采の声”が上がっています。非常に残念なことですが、日本政府は条約の採決もボイコットするなど、核兵器禁止条約について非協力的な姿勢を改めませんでした。美智子さまが、広島、長崎の被爆者の努力を心から理解してくださったように、政府が率先して、被爆者の証言を世界に発信していくべきです」
今年3月の、国連総会の核兵器禁止条約制定に向けた交渉会議。日本代表の空席には、核廃絶のシンボルでもある折り鶴が。その羽には、『あなたがここにいてほしい』と書かれていた。日本政府が出席を拒否するなか、この条約制定には前出の中満さんも尽力していた。
「9月末に急逝した熊本出身の私の父は、15の時に見た長崎の原爆のキノコ雲の話を、私の2人の娘たちに伝えてくれました。人間は過去の過ちから教訓を学び、それを世代を超えてつなぎ伝えて世界をより良いところにしていく力を持っている、と私は思っています。