「大量難民が日本に…」元PKO幹部が語る北朝鮮危機の未来
自らの経験を踏まえて、「軍事攻撃はリスクが大きすぎる」と、思いとどまるよう訴えたという。
「彼らだって、本当は斬首作戦なんかやりたくないんです。なぜなら、大変なのは政権を倒したあとだから。国民みんなが飢えているので、何もできないという人もいます。しかし、それは希望的観測にすぎないし、金正恩を失った屈強な北朝鮮の軍人たちが、あちこちで武装蜂起して、ISのようなテロ集団になる可能性だってありえる」(伊勢崎さん・以下同)
各地の紛争解決の過程で、体制崩壊の混乱を数多く見てきた伊勢崎さんは、続けてこう語る。
「路頭に迷って今以上に飢えた2,500万人もの国民をどうするのか。彼らを制圧して統治するのに莫大な労力とコストがかかります。金正恩体制よりも、危機的な状況になる可能性もあります。
これまでアメリカが統治に成功したのは第二次世界大戦後の日本くらいで、アフガニスタンやイラクでは、ことごとく失敗し、泥沼化しています。だから米・陸軍も、本音では、武力行使を避けたいんです」
モスクワで10月20~21日に開かれた、核不拡散問題を話し合う会議の前日に、北朝鮮の北米局長とアメリカの元国務次官が「(話し合いのために)