間宮祥太朗 実録犯罪映画『全員死刑』への思い「しっかり見て」
一見、共感性ゼロに思える主人公だが、間宮は必ずしもそうではないという。
「タカノリのように罪は犯さなくても、家族のために自分が望まないことを求められている人はいると思うんです。だからこそ、家族と過ごす時間や普通の家族みたいな会話を大事にして、日常を感じさせる映画にしたかったんです」
頼りない父親を演じるのは、六平直政。撮影裏では、頼れる父親的存在であったそうだ。
「六平さんとすしをご一緒したときがあって、僕と(兄役の)毎熊さん、監督もいましたね。六平さんの若いころの話とか、くだらない話で盛り上がって。その顔ぶれだから、漢(おとこ)のメシ会って感じでしたが(笑)」
タカノリは加害者だが、家族の犠牲者でもある。間宮のどこか切なげな表情は、実録犯罪映画の傑作『復讐するは我にあり』で殺人犯を演じた、緒形拳の哀感すら彷彿させた。
「題材だけに、批判や否定的な意見もあるでしょうが、しっかりと見てください。こちらもしっかりと作りました」
次代を担う俳優と監督の確信的犯行をしかと見てほしい。
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