かつては西洋医学も拒否…坂本龍一を変えた「がんと震災」
整体や足湯なども、みんなが言いだすはるか前からやっていたので、『そんなことは、もう昔からやっている』という自負もあった。それでも、がんになってしまうんだ、と。だから、ちょっとした自信や知識なんて、なんの役にも立たない。病気になるときはなるんだ、自然のことも体のことも、自分はわかっていなかったんだ、と気づいてね。自然に対する畏敬の念、かなわないという気持ちは強くなりました」
3.11に東北を襲った地震と津波。それから3年後に坂本さんを襲った“がん”。両者は、坂本さんにとって同じ“自然の力”を思い知らされる出来事だった。
「僕は、ここ20年くらい西洋医学は拒否して、風邪をひいても薬は飲まないで足湯で治していました。
その延長でいけば、がんになっても代替医療や民間療法だけで治そうとしていたかもしれない。でも、そうしていたら、僕は今ごろ生きていないかもしれない。これはわかりませんよ。治る人もいるけど、治らない例もたくさんありますから」
そこで坂本さんは、西洋医学と民間療法、それぞれのいいところを取り入れていく。