夫の死で決意…「世界の山ちゃん」女社長の“凄腕経営”奮闘
「会長、なんて言ってるのかな。きっと『まだまだ、まだまだ』って言ってるんじゃないですかね」
こう語るのは、「世界の山ちゃん」会長・山本重雄さん(享年59)が昨年8月に急逝し、専業主婦から、いきなり「世界の山ちゃん」を展開する株式会社エスワイフードの代表取締役社長の座を継ぐことになった、妻・久美さん(50)。
国内12都道府県、さらには台湾、香港、タイ、マレーシアと、まさに世界を股にかけて店舗網を広げてきた「世界の山ちゃん」。創業は’81年。岐阜県武儀郡洞戸村(現・関市)出身の重雄さんが、名古屋市中区新栄にオープンした4坪13席の居酒屋「串かつ・やきとり山ちゃん」がスタートだった。
以来、ピリ辛味の手羽先の唐揚げ「幻の手羽先」を名物に店舗を増やし、いまや国内外に75店舗を有する一大チェーンに。
そんな、「世界の山ちゃん」を築いた重雄さんが亡くなったのは、昨年8月21日午後7時54分。死因は解離性大動脈瘤だった。
創業当初から、「世界の山ちゃん」で扱う酒を一手に卸してきた中島屋本店の中島一郎会長が、訃報を聞いて駆けつけたとき、病室のベッドにはまだ、ぬくもりが感じられそうな重雄さんが横たわっていた。