市村正親が見せる父親の顔 「ウチはママのほうが厳しくて…」
「僕がこの作品で初めて主演したのは54歳の時でした。日本での初演を森繁久弥さんが演じられたのも54歳。14年後、3カ月ものロングランを実現されたのが、今の僕の年齢と同じ68歳だったんですよ。そういう縁があるの」
こう語るのは俳優の市村正親(68)。耳になじむミュージカルの名曲。『屋根の上のヴァイオリン弾き』のどこか寂しげな『サンライズ・サンセット』はあまりにも有名だ。日本での初演から50周年を迎える今年、市村が4年ぶりに父親・テヴィエを演じる(12月5〜29日/東京・日生劇場)。
「この作品が長く愛される理由は親子や夫婦、家族というテーマが普遍的だからでしょうね。
見る人それぞれが自分と重ね合わせることができる。考えてみたら僕だって、おやじやおふくろは役者にしたかったかどうかはわからない。僕も息子たちには、親が押し付けるのではなくて、自分で本当に好きなものを見つけてほしい。食べていくためじゃなくね。好きなことなら頑張れると思うから。うちでは今のところ、いろんなことを体験させて、たいていは褒めてますけど」
そう話し、父親の顔になる市村。