来年4月から埼玉、京都も…「自転車保険」義務化の背景は?
「全国平均で、自転車が関わる人身事故は交通事故全体の約2割。ですが埼玉県は3割と高く、自転車事故が多い県と言えます。にもかかわらず’16年の県内調査では、自転車保険の加入率は45%と半数以下にとどまっていたため、加入の義務化に踏み切りました」
そう語るのは、埼玉県・県民生活部の職員。埼玉県は今年10月、自転車保険への加入について、これまでの努力義務から義務に引き上げる条例を公布した。施行は来年4月からされる。同じく京都府でも、自転車保険の加入が義務化されることになった。
生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは、自転車保険における都道府県の取り組みについてこう語る。
「すでに兵庫県、大阪府、鹿児島県、滋賀県などでは自転車保険加入が義務化されています。
背景にあるのは、自転車事故による損害賠償額が、場合によっては“超高額”になってしまうことなんです」
日本損害保険協会のホームページによると、次のような判例が出ている。
【ケース1】賠償額9,266万円
男子高校生が自転車で歩道から車道を斜めに横断した際、対向車線から自転車で直進してきた24歳男性会社員と衝突。