「国境なき子どもたち」会長寺田朗子さん“8万人の子の母として”
「国境なき子どもたち」は、国際的な医療・人道援助を目的とした非政府組織「国境なき医師団」の日本支部から派生し、独立した認定NPO法人。’97年の発足以来、この20年で15の国と地域で、延べ8万人以上の子どもたちに生活の場や教育の機会を与え、職業訓練を行うなどして、その自立を助けている。
特徴的なのは、支援の手が最も届きにくい15歳以上の青少年を主な対象としていること。人身売買の被害に遭ったり、自然災害、紛争などで親を亡くし、路上生活を余儀なくされた子どもたちに手を差し伸べている。
寺田朗子さん(71)は、’92年の「国境なき医師団日本」の開局当初からのボランティアスタッフで、’98年から7年間、「国境なき医師団日本」の会長を務め、’09年、認定NPO法人「国境なき子どもたち」の会長に就任。現在も会長として活動を続けている。
まさに両組織の生みの親ともいえるのだが、その口癖は、「私は何もしてないの」。うふふとほほ笑みながら、寺田さんはこう言った。
「だって、本当にそういう感じですよ。それこそ普通の主婦だったんですから、私」