スピードスケート高木美帆 姉・菜那に初めて「勝ちたい」と思った瞬間
8年前のバンクーバー五輪は、中学生だった美帆が代表入り。4年前のソチ五輪は、菜那だけが出場している。姉妹なら、リズムを合わせる点で有利に思える。しかし、菜那は身長155cm、美帆は164cmと体格差があり、おまけに性格は正反対。姉妹が通った帯広南商業高校スケート部の東出俊一監督はこう語る。
「負けず嫌いで、勝負にこだわる闘争心が誰よりも強かったのが菜那。美帆は、さばさばした性格です」(東出監督)
感情をストレートに表現する正直すぎる姉と、常に飄々として、一人で努力し続ける真面目な妹。美帆のコーチとしてバンクーバーに帯同した、中学時代の姉妹を指導した櫻井知克士教諭は、美帆の才能を絶賛する。
「美帆はまさに“神の子”です。自分で課題を持ち、一つ一つ解決していくことに集中する、努力する天才なんです」(櫻井先生)
天才は肌の美帆は、常に自分自身と向き合ってきた。東出監督も言う。
「美帆には、負けても、ひとりで自分の問題をみつけて解決していく力がある。そこには誰かに勝ちたいとか、負けたくないという気持ちはありません。