「日本一クレームがくる辞書」『広辞苑』改訂担当者の苦難
「3,216ページのすべてに目を通した4年間……。辞書作りに、少々飽きたところです(笑)」
そう語るのは、『広辞苑改訂の責任者である、岩波書店辞典編集部の平木靖成さん(49)。“国民的辞書”といわれる『広辞苑』が、10年ぶりに大改訂。内容を見直し、“第七版”として発刊された。
’55年に発刊された『広辞苑』は、今年63歳!日本でもっとも売れている半面、日本一クレームの電話がかかってくる辞書と言われる『広辞苑』。還暦を超えて、どんな変化を遂げたのだろうか――。
「第七版の改訂作業がスタートしたのは’13年末。日本語として定着した言葉、これからも使われていくと思われる言葉を選びました。
あらたに加えた言葉は1万語ですが、約10万語の候補のなかから選び抜きました」(平木さん)
新規に収録されたのは「自撮り」「LGBT」や「東日本大震災」「安全神話」「ブラック企業」など。世相を映した言葉だという。
「その結果、第六版から140ページ増えましたが、厚さは変わっていません。