理想は50代でプラマイゼロ「老前破産」を防ぐ「資産の棚卸し」
「真面目に生きていても、何かのきっかけで、一気に借金地獄に転落してしまうーー。よく『老後破産』が問題だといわれますが、本当に怖いのは、40代、50代での『老前破産』なのです」
こう語るのは、『老前破産ー年金支給70歳時代のお金サバイバル』(朝日新書)を出版した、経済ジャーナリストの荻原博子さん。この本で、荻原さんは“普通の人”が借金地獄に陥る現実に触れ、その対策を提示している。
結婚して子どもを産み、マイホームを手に入れる。子どもを大学まで進学させ、幸せな老後を送るーー。これまで“人並み”と思われていた人生から転落する人が増えているという。
【ケース】教育ローンで老前破産!
Bさん(55)は、共働きの妻と3人の子どもの5人家族。夫婦で力を合わせ、郊外にマイホームを購入した。
しかしある日、妻が病気で倒れてしまう。妻の看病と子育て、住宅ローンも、Bさん1人で背負うことに。
幸い、妻の体調は回復したが、正社員の採用はなく、パート勤めでは以前ほど稼げない。