“努力惜しまない天才”羽生結弦 奇跡の復活にあった3つの秘策
「やれることはやった。自分のコンディションの中でできることはやった」
平昌五輪で金メダルに輝いた羽生結弦(23)は、ショートプログラム後の会見でそう語っていた。
しかし、そこに至るまでには“苦悩の3カ月間”があった。昨年11月のNHK杯で公式練習中に転倒し、右足首靭帯を損傷。グランプリファイナルも全日本選手権も欠場しリハビリに専念してきたのだ。氷上練習再開を発表したのは、1月から。跳び始めたのは、トリプルアクセルが3週間前。4回転は2週間ほど前だったという。
ギリギリで臨んだ本番だった。
それでも、ブライアン・オーサーコーチ(56)は「これは、運ではない」と語っている。66年ぶりとなる五輪2連覇。その快挙の裏に隠されていた“執念の物語”を追った――。
通常はフィギュア選手が休業すると、復活するまでに3倍の期間がかかるといわれている。その点、練習再開までに2カ月間を要した羽生。「治るんだろうかと考えていた時期もあった」と漏らしているように、絶望の日々をすごしていたようだ。