認知症の権威が教える「暴走運転老人」のボーダーライン
18日、東京都港区内で、元東京地検特捜部長で弁護士の78歳男性が運転する乗用車が暴走し、歩道を歩いていた30代の男性をはねて死亡させた。原因はアクセルとブレーキの踏み間違いとみられる。
このような高齢者ドライバーによる死亡事故が、連日のように相次いでいるーー。
前記事故の3日前の15日、警察庁は’17年に認知機能検査を受けた75歳以上の高齢ドライバー196万2,149人中、2.8%に当たる5万4,072人が“認知症の恐れがある”と判定されていたことを発表した。
また、昨年に交通死亡事故を起こした75歳以上のドライバー385人を調査したところ、「認知症の恐れ」があるが28人。「認知機能低下の恐れ」があるが161人だったことも同時に発表。じつに死亡事故を起こした運転者のほぼ半数が、認知機能が低下していたのだ。
認知機能とは、記憶力や判断能力など、物事を正しく理解し、適切に実行するための知的機能のこと。
この機能が低下した状態が、認知症や“認知症予備軍”と呼ばれるMCI(軽度認知障害)