家庭内事故死の3大要因「転落」を防ぐ10万円の使い方
厚生労働省の人口動態統計によれば、「家庭における主な不慮の事故」の死亡者数は、最新の2016年のデータで、年間1万4,175人だった。そして同年の交通事故死者数は5,278人であるため、じつに3倍近い人が、最も安全と思われる“家庭内”で命を落としてしまっていることになる。
「種類別で最も多いのが溺死で5,491人。次に、誤嚥などによる窒息が3,817人。部屋での転倒や階段からの転落などが2,748人と続いていきます。死亡者数の約85%が65歳以上の高齢者です。住みなれたマイホームの中に、多くの危険が潜んでいるということを意識して、対策を立てておくのは、とても重要なのです」
こう語るのは、家庭内で起きる事故の事例に詳しい一級建築士の井上恵子さん。そこで、施すべき対策についてみていこうーー。
■10万円で転落事故は激減させられる
「日本の家屋には狭い国土と建築の特性上、階段はつきものです。特に古い家ほど階段が急だったりします。私は高齢者のいる家庭では、階段の両側に手すりを設置することを勧めています」