「中古の車と時計だけ…」年末ジャンボ「1億円」当選者の堅実
「これを見ても、全然自分のことじゃない気がするなあ」
愛知県大府市にあるふじや酒店。店内のレジカウンターの背後に「出ました!’14年年末ジャンボ1等前後賞」の文字とともに大きく掲げられた92組169295番の宝くじのカラーコピー。それを見ながらK・R(45)は気恥ずかしそうにそう漏らした。
貼りだされた1等前賞1億円の当せんくじ。Kさんこそ、その当せん者本人なのだ。Kさんの姿を見て、ふじや酒店のおかみさん・服部啓子さん(67)が笑顔で店の奥に迎え入れる。
これまでメディアに出たことのないジャンボ億万長者を発掘、紹介するのは、宝くじ取材歴12年の記者にとって初めて。近年、個人情報保護などの事情から、メディア未登録の高額当せん者とのコンタクトは非常に困難になっている。
そんななか、本誌はKさんとの取材交渉の末、この日、服部さん同席で話を聞く機会が実現した。
’14年年末ジャンボは大みそかが抽せん日。服部さんはその晩、不思議な夢を見た。
服部「真っ暗な中に白い小さな蛇が現れて、どんどん大きくなりながら、最後は龍になって、空に舞い上がっていく夢。