フードコーディネーターが明かす「料理の鉄人」の舞台裏
「私の記憶が確かなら――」
司会を務めた鹿賀丈史の、この名調子を覚えている人も多いはず。’90年代、腕自慢の料理人たちが毎週、鉄人たちと料理バトルをし、空前のグルメブームを巻き起こした『料理の鉄人』(フジテレビ系)。
2月11日、その放送開始25周年を記念し、都内のホテルで“同窓会”が開かれた。鉄人や挑戦者たち、そして当時の番組スタッフなど参加者は100人にのぼる。開場2時間前の午前11時、ステージ正面では、かつてのキッチンスタジアムさながら、大量の食材や食器などのディスプレー作業が始まっていた。余興で行われる料理バトルのための準備である。
作業の手を休めず、忙しく手を動かしていたのは、白いワイシャツに黒いエプロン姿の結城摂子さんだ。肩書はフードコーディネーター。
「私は料理人ではないし、スタイリストでもない。つまり、食器選びや調理、レシピの考案、盛りつけ、素材探し、調理法にいたるまで、食にまつわることを、なんでもコーディネートするのが、フードコーディネーター……なのかな?」