2018年4月9日 16:00
遺産の2次、3次の継承先を決められる「家族信託」の始め方
超高齢社会で65歳以上の4人に1人が認知症予備軍といわれている昨今。親が認知症になり、「実家を処分することができない」「預貯金を引き出せない」などのトラブルが急増している。たとえ本人のためであっても、家族が財産を勝手に処分したり、活用することはできないためだ。
そんな事態になる前に、検討したいのが家族信託。家族信託普及協会の代表理事で、家族信託研究所を運営する司法書士の宮田浩志さんが解説をしてくれた。
「財産の管理をほかの人に任せることを信託といいます。以前は、信託銀行や信託会社など、専門家に任せるのが主流でした。しかし、’07年の信託法改正を契機に、“信頼できる相手との間”、特に家族の間で使いやすくなりました。
家族間で行うことが増え、『家族信託』という言葉が生まれました」
一般的に、親が認知症になった場合の方法として、契約や財産管理を任せる後見人を選任する「成年後見制度」が知られている。しかし、後見人となった親族が財産を私的に使いこむ事件が相次いだため、近年の家庭裁判所は弁護士や司法書士などの専門家を後見人に選ぶ傾向にあるという。