大谷翔平「有能感」を育てた両親の叱らない“肯定教育”
原点である家庭について取材した。
大谷は’94年7月5日、元・社会人野球選手で会社員の父・徹さんと、元バドミントン選手の母・加代子さんのあいだに生まれた。長男、長女、大谷と3きょうだいの末っ子だ。
大谷を取材し続け『道ひらく、海わたる大谷翔平の素顔』(扶桑社)を著したスポーツライターの佐々木亨さんが、当時の大谷家をこう語る。
「大谷選手が生まれる1年前に、大谷家は父・徹さんの地元・岩手県にもどりました。いまでもそうですが、大谷家にはテレビが1階のリビングに1台だけ。夕食は父の帰りを待って5人家族全員が食卓を囲むのが当たり前でした。お父さんもお母さんも大谷選手を厳しく叱ったことは『ほとんどなかった』と口をそろえるような、アットホームな家庭で育ったんです」
大谷本人も「ほとんど怒られた記憶がない」と佐々木さんに話したという。
「徹さんに聞くと、親が『おはようございます』『お休みなさい』と言ったり、自分の食器は自分で片づけるという程度のことを率先してやるだけでいいんだと。子どもたちもそれを見て、自然とするようになるだろうと思ったそうなんです」