明るいのか物騒なのか…メキシコでの生活描いた漫画が話題
主人公はメキシコで暮らすタマラという女性。とはいえ彼女は日本人だ(おそらく名前はペンネーム)。大学でスペイン語を勉強していた彼女は、メキシコに留学することとなり、それをきっかけに、現在はメキシコで仕事をして生活している。
描かれるのは、メキシコでの日常の風景や、メキシコの人々の姿だ。
そこにはマフィアも麻薬も登場しない。日本文化に興味を持っているダニーや、ダニーの弟で日本のアニメを好むオタクのアレイといった人々だったり、安い値段で乗れる地下鉄だったり、一面にコーラが並ぶスーパーマーケットといった、親しみやすそうな存在のものが多く出てくる。
四コマということもあり、とにかく読みやすい。ふふっと小さく笑いをこぼすうち、自分のイメージしていたメキシコの姿が、どんどん変形していくのを感じる。
この本の中で特に素晴らしいと感じたのは、巻末のエピソードマンガだ。主人公は遺跡観光の帰り道の車の中で、リュックを盗まれ、中のカードを利用されるなどの被害に遭い、厄介な思いをする。
おそらく、このエピソードを入れないという選択肢もあったはずだ。