2018年5月14日 16:00
由紀さおり 離婚、紅白落選……挫折を乗り越えられた歌への思い
その番組が、CM作曲家の目に留まり、由紀さんは味の素の『ハイミー』や「チョコレイトはメ・イ・ジ」など、たくさんの記憶に残るCMソングを歌うようになった。
そして、CM界でスキャットがはやり始めたころ、作曲家・いずみたくさんが関わっていたラジオの深夜放送『夜のバラード』のテーマ曲を、由紀さんが歌うことになる。
「いずみ先生が『自分の好きな言葉で、歌ってみて』とおっしゃるので、2〜3回、“ルールールー”ってスキャットで歌ったら、『いいね〜』ってOKになっちゃって」(由紀さん)
その曲が若者たちの大反響を呼んだため、2番に歌詞をつけてシングル化したのが『夜明けのスキャット』だ。由紀さおりという芸名での再デビューも決まり、翌’69年3月10日にリリースされた『夜明けのスキャット』は、150万枚のミリオンセラーとなった。
短大卒業と同時に、歌手として一気に花開いた由紀さんは、レコード発売の19日後、高校卒業時にプロポーズされていた、交際中の男性と結婚。大きな夢を2つ手にして、まさに幸せの絶頂だった。
デビューの年の『NHK紅白歌合戦』の出場を射止めた由紀さんは、次の目標に向かって、突き進んでいった。