2018年5月14日 16:00
由紀さおり 離婚、紅白落選……挫折を乗り越えられた歌への思い
「あの時代、多くのヒット曲が生まれましたが、1曲で終わるケースが多かった。だから、2曲目が大事なんです。’70年リリースの『手紙』がミリオンセラーになったとき、ようやく、私は音楽の世界にいてもいいのかなと思えるようになりました」(由紀さん)
やっとつかんだ歌手としての居場所を手放したくない。由紀さんは、それからも努力を惜しまなかった。
「歌は私の原点です。でも、歌い手が歌うのは当たり前。テレビでは、ほかのこともやらないと、生き残れない。だから、私は歌手以外の由紀さおりという“人間”を見てもらえるようにも努めました」(由紀さん)
由紀さんは、ザ・ドリフターズの『8時だョ!全員集合』(TBS系)や『ドリフ大爆笑』(フジテレビ系)に出演。
女優や司会者にも挑戦し、活動の幅を広げていった。
仕事が増えれば、減っていくのは夫婦の時間だ。由紀さんは結婚7年目で別居。14年目の’83年に離婚している。結婚生活と引き換えにはなったが、10年連続で、紅白に出場した由紀さんは、歌手として、不動の地位を築いたかに思われた。