西城秀樹さん語っていた家族への感謝 絶望から家族一丸で奮起
その言葉が頭にあって『そうだ。とにかくできることから、ゼロから歩もう』と思ったんですね」
子どもたちも、西城さんを気遣っていたという。
「男の子たちは一緒に入浴したとき、右手が不自由な僕のために背中を流してくれる。また、暗いところを歩くときや、階段を昇り降りするときは『パパ、危ないから』と言って、必ず手を差し伸べてくれます。もちろん長女も。そういうときは、本当にありがたい、嬉しいと思う反面『迷惑をかけたくない』とも思う。その思いが、リハビリの励みになるんです」
懸命にリハビリを続け、還暦を記念したアルバムを完成させた西城さんは、その先の目標をこう語っていた。
「願わくば、いちばん下のチビが20歳になるまで現役でいたいです。
だから最低あと10年。健康に十分気をつけて、歌い続けていきたいと思っています」
この言葉から4年。「あと10年」という願いは届かず、西城さんは天国へと旅立っていった――。