2018年5月26日 16:00
陸上自衛隊初の女性連隊長「部下がいたから逃げなかった」
同じころ、アメリカに留学し、日本を外から客観的に眺める機会もあった。このころようやく、リーダーとしての覚悟が固まった。
「日本人は生真面目で誠実。精細な心遣いができる。人と人との関係が素晴らしい。この国を守りたい。そう心から思えるようになりました」
20代で感じた重圧も、もはや悪い思い出ではないという。
「私は人に恵まれました。
いい上司や同僚、部下がいた。連隊長を1人育成するには20年かかるといわれます。その20年間の上司、部下、同僚の思いがあって、私をここに座らせてくれているんです」
澤村さんは、リーダーとして、適材適所に人員を配置する立場だ。そのとき、男性よりも女性の方が向いている場面もあるという。
「とくに被災地では、女性や子どもに対する支援は、女性がその任務に就くメリットがありますね。女性のほうが、生活全般にきめ細かく目が行き届きやすいですから。女性自衛官のニーズは年々、多様化しています。女性のほうが、男性より警戒されず、安心される場所もあります。
イラクのオペレーションのときには、女性を使って、現地にいた市民のニーズを正確に調べることができました。