曾祖父が“西郷どん”と漁をしたユタが語る奄美大島の教え
と繰り返した。
「ずっと拒み続けてきたんですが、37歳のときに祖母の後を継ぐことを決心。海や川でのみそぎなどの修業を経て40歳でユタになる儀式を行いました」
それから20年以上、飲食業で生活の糧を得る傍ら、ユタとして「判じ」をして人々を幸せに導いている。
この取材中に、葉月さんに突然、「双子の赤ちゃんが無事に生まれました」と、お礼を言いに来た女性がいた。
「子どもが授からないという女性が通ってきてね。神様からの言葉、『男の子が生まれるよ』と伝えて、そのための神社へのお参りの仕方や夫婦にいい日を選んであげたの」
後日、女性は子宝に恵まれた。夫婦関係の相談に来た女性の離婚を思いとどまらせたこともあった。
「神様から『別れるな』という言葉が降りてきて。
私は『相性がいいから離婚はせんほうがいい』と諭しました。数年後に、『あのときは、主人の気持ちがわからなかったけれど離婚しなくてよかった』と、礼を言いに来てくれてね。みんなが幸せになると、神様も喜ぶよね」
島民の数々の悩みを解決してきた葉月さん。