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血を連想させる鮮やかな赤。気持ちを高めるための秘薬として飲まれていた宝石とは

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小さな宝石の本
\美しく、まばゆく、ときに妖しく光る宝石の世界/

国内最大級の宝石専門情報メディアKARATZ(カラッツ)が贈る、宝石の世界。
『小さな宝石の本』(リベラル社)は、各地に伝わる宝石の言い伝えや、偉人が愛した宝石、さらに文学や絵画に登場する宝石など、多方面から宝石を楽しめる1冊です。

今回は、歴史に名を残した偉人たちが愛した宝石とその魅力について、一部抜粋してお届けします。

ヘンリー8世

血を連想させる鮮やかな赤。気持ちを高めるための秘薬として飲まれていた宝石とは


イラスト/人物:©溝上なおこ宝石:©SUBANA

イギリス国王ヘンリー8世は、ダイヤモンド、サファイア、エメラルドなどの宝石を愛する女性たちに惜しげもなく与え、彼自身もそうした宝飾品で贅沢に着飾ったそうです。

ヘンリー8世の宝石に関する逸話の中では、最初の妻キャサリン・オブ・アラゴン妃に贈った真っ赤な「ルビー」の話がもっとも有名です。

王がキャサリン妃の侍女アン・ブーリンにひかれ、妃への関心を失っていくにつれ、その心変わりに合わせるかのように、燃えるようなルビーの赤が次第に色褪せていったといいます。

六度結婚して、自身の離婚のために教会とも対立した彼の評判は「好色」「利己的」「無慈悲で不安定な王」と散々です。

しかし、権力者や教会から華美な宝石を没収し、和平外交に利用するといった賢明な一面もありました。


ルビー


〈紅玉[こうぎょく]〉

赤い宝石の代表格。血液を連想させる色合いで珍重された宝石

血を連想させる鮮やかな赤。気持ちを高めるための秘薬として飲まれていた宝石とは


(※取り扱いやすさ:硬度や安定性などを考慮して設定した、本書独自の指標)

ルビーは、その鮮やかな色が「血液」を連想させることで、古くから特別に扱われてきた宝石です。

その妖しげな色から、ドラゴンの血が固まってできたという言い伝えも残されています。

語源はラテン語の「ruber(赤)」。

燃えるような赤に薬効があると考えられ、肝臓や風邪の治療薬として使われていた時代もありました。

古代インドでも、ルビーは「ratnaraj(貴重な石の王)」と呼ばれて珍重されていました。粉末にしたルビーが恐怖を消し、気持ちを高めるための秘薬として飲まれていたとも伝えられています。
血を連想させる鮮やかな赤。気持ちを高めるための秘薬として飲まれていた宝石とは


さらに、最も古い産地として知られるミャンマーでは、ルビーを体に埋め込むと不死身の力を授かり、戦場で無敵になれると信じられていました。

ルビーの最高品質の色は「ピジョンブラッド(鳩の血)」と呼ばれます。


かつてはミャンマーのモゴック地方で採れる最高品質のルビーだけに使用される言葉でしたが、現在では産地にかかわらず広く用いられるようになりました。

ルビーの中には「スタールビー」と呼ばれる種類があります。

宝石の中には光を当てると、表面に4条以上の光の筋が現れる(スター効果)ものがありますが、スタールビーもそのひとつ。光を当てると交差する3本の光の筋が現れるのです。

透明度が高くスターが端までハッキリと現れるものは高い価値が与えられます。

血を連想させる鮮やかな赤。気持ちを高めるための秘薬として飲まれていた宝石とは


画像はスタールビー。光を当てると表面に光の筋が現れる。

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この続きは、是非書籍でご覧ください。


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血を連想させる鮮やかな赤。気持ちを高めるための秘薬として飲まれていた宝石とは
血を連想させる鮮やかな赤。気持ちを高めるための秘薬として飲まれていた宝石とは


※本記事は、『小さな宝石の本』著:小山慶一郎、監修:KARATZ(リベラル社刊)より抜粋・再編集して作成しました。

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