ミュージカル『レイディ・ベス』製作発表会見に奥田いろは、小南満佑子はじめ主要キャストが登壇。ブラッシュアップの詳細も
2026年2月9日(月)に東京・日生劇場で開幕するミュージカル『レイディ・ベス』の製作発表記者会見が、12月17日、都内で実施された。
衣裳付きで披露された圧巻のスペシャルメドレー
ウィーン発のミュージカル『エリザベート』『モーツァルト!』のミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイが脚本・歌詞、音楽・編曲を手がけ、小池修一郎(宝塚歌劇団)による演出・訳詞で、2014年に誕生した本作。若き日のエリザベス1世が、多くの試練に向き合い、淡い恋を経験しながら女王へと成長していく姿を描き、多くの観客に感動をもたらした。会見では、2017年の再演以来約8年ぶりの上演にWキャストでレイディ・ベス役にのぞむ奥田いろは(乃木坂 46)、小南満佑子をはじめ、ベスと思いを通わせる吟遊詩人、ロビン・ブレイク役の有澤樟太郎と手島章斗、イングランド女王メアリー・チューダー役の丸山礼と有沙瞳、その夫でスペイン王のフェリペを演じる内海啓貴と松島勇之介、演出・訳詞・修辞を手がける小池が登壇。1500名を超える応募の中から抽選で選ばれた東宝ナビザーブ会員150名のオーディエンスが見守る中、それぞれの思い、意気込みを語った。
会見のはじめに行われた歌唱披露では、各Wキャストのペアが舞台衣裳をまとって登場、この日限りのスペシャルメドレーで圧巻のパフォーマンスを見せた。フェリペ役の内海、松島による「COOL HEAD」、メアリー・チューダー役の丸山、有沙の「悪魔と踊らないで」、ロビン役の有澤と手島による「俺は流れ者」、最後には奥田と小南が、ヒロインの大きな見せ場となるナンバー「秘めた思い」を情感たっぷりに歌いあげた。
左から)奥田いろは、小南満佑子
その後マイクを手に取った小池は、初演、再演でのタイトル『レディ・ベス』を『レイディ・ベス』に改めたことについて、「舞台の上で登場人物たちはベスのことを“レイディ・ベス”と呼ぶシーンがいっぱいある。
正しくは“レイディ”ですので、タイトルから『レイディ・ベス』だと思いました」と説明。また、クンツェは再演時に必ず作品に手を加えることも明かし、「スイスのザンクト・ガレンで上演した際(2022年)も、ものすごくいろいろ変わりました。今回も、新たにこう作りたいという意思をお持ちで、ベスの生き方、主張がすごく強く前に出るよう直されていました。歌詞が全く違うものになった曲もいくつかあります。あらためて、2026年の観客の方の共感を得ることになる、と感じました。昨今の大河ドラマもそうですが、歴史劇ではあるけれど、現代の視点で見る、あるいは若い人の感受性で表現することで、受け手である、いまを生きている人たちに伝わるものになっていくと思います」と語った。
続いてレイディ・ベス役のふたりが挨拶。奥田は、「初めての座長で、初めてのタイトルロールを務めさせていただくことになりました。
私自身も物語のベスと一緒に、たくさん成長していけたらなと思っております」と瞳を輝かせた。小池作品は『ロミオ&ジュリエット』『1789 -バスティーユの恋人たち-』に続いて3作目となる。小南は、「私もグランドミュージカルの初主演、初座長。本当に緊張して、“ど根性ガエル”くらい、心臓がドキドキしていました(笑)。『レイディ・ベス』を引き継ぎ、出演させていただけることに喜びと感謝の気持ちでいっぱいです」。アンサンブルでミュージカルの舞台にデビューして10年。エリザベス1世について、書籍や映画でできる限り学び、「この人の人生を生きたいと強く願った」という。
ロビン役の有澤は、「ものすごく期待されていることを肌で感じています。
皆さんの期待を上回らないといけないなというプレッシャーを感じています。僕たちならできると思っています!」と、初の小池作品参加に意欲的だ。一方の手島は、「生オーケストラでのミュージカルへの挑戦にワクワクしています。たくさんの方に愛されている作品ですので、丁寧に、真摯に務めていきたい」と意気込む。小池作品には『1789 -バスティーユの恋人たち-』で参加。今回は、リーヴァイならではの、音楽での掛け合いを楽しみにしているという。
左から)有澤樟太郎、手島章斗
ブラッシュアップを経て、より全体像が掴みやすい作品に
左から)丸山礼、有沙瞳
メアリー・チューダー役の丸山は、ものまねタレントとしてブレイク、テレビドラマや映画と活躍の場を広げているが、「ミュージカルは初めてなんですよー!」と、出だしからテンション高め。一瞬周囲の反応を気にするも、小池が笑顔で頷くと、引き続きハイテンションで会場を笑いでいっぱいに。
「芸歴10年を超え、何かに挑戦してみたいという思いもありました。一生懸命やりきりたい」とコメント。テレビドラマに主演する丸山を小池が見てファンになり、さらに彼女が歌う動画に触れたことがオーディション参加に繋がったそう。宝塚歌劇団時代に小池作品に取り組んだ有沙は、「小池先生と2年半ぶりにご一緒できることが本当に嬉しく、夢がひとつ叶った。リーヴァイさんの作品に出演させていただけること、ほとんど初めましての皆さんとひとつになって作品を作ることができること、本当に嬉しく思います」と笑顔に。「絶対に受かりたい」とのぞんだオーディション。実在する人物を演じることの重みを感じながらの取り組みとなる。
最後はフェリペ役のふたり。
内海は「神奈川の田舎出身の男がスペイン王になるとは思いませんでした」と胸の内を明かす。今回が3度目の小池作品というが、「毎回、新しい色を見つけてくださるので、今回もこのフェリペを通して、また新しい内海啓貴をお見せできたらなと思います」と意気込む。大作ミュージカル初出演という松島は、「このフレッシュな皆さんの中で、僕が誰よりもフレッシュにたくさん学び、この物語、この作品の1ピースとして務められるよう、精一杯頑張ります」と意欲を見せる。
左から)内海啓貴、松島勇之介
質疑応答では、出演への思い、Wキャストの相手の印象などさまざまな話題が飛び出した。ベス役の奥田が小南について、「隣でたくさん学ばせていただこうという気持ち」と告白すると、小南は、「私はそんなにしっかり者でなくて」と恥ずかしそう。最後は、互いに手を取り合って役柄に向き合うことを再確認した。
今回の上演ではどのようなブラッシュアップが施されるのかと問われた小池は、「物語の主軸となるベスの運命を中心とした展開になるよう、場面の順番が入れ替わるところも。全体像が掴みやすくなったかなと思います」と明かした。
また、いま、この時代だからこそ伝えたいこととして、「若い娘が自分の人生の選択を迷い、そういう運勢にあると言われ、それをいかにして受け入れるか。自分と重ねられる人もいらっしゃるのではないか。いまこの時代に、あらためてなるほどと思うところがあると感じております」とも。
東京公演ののち、福岡・博多座、愛知・御園座での公演も予定される。新たなキャストによる新たな『レイディ・ベス』の誕生に、注目したい。
<公演情報>
ミュージカル『レイディ・ベス』
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞・修辞:小池修一郎(宝塚歌劇団)
出演:
レイディ・ベス(Wキャスト):奥田いろは(乃木坂46)、小南満佑子
ロビン・ブレイク(Wキャスト):有澤樟太郎、手島章斗
メアリー・チューダー(Wキャスト):丸山礼、有沙瞳
フェリペ(Wキャスト):内海啓貴、松島勇之介
シモン・ルナール:高橋健介
スティーブン・ガーディナー:津田英佑
キャット・アシュリー:吉沢梨絵
アン・ブーリン:凪七瑠海
ロジャー・アスカム(Wキャスト):山口祐一郎、石川禅
ほか
【東京公演】
2026年2月9日(月)~3月27日(金)
会場:日生劇場
【福岡公演】
2026年4月4日(土)~4月13日(月)
会場:博多座
【愛知公演】
2026年5月3日(日)~5月10日(日)
会場:御園座
関連リンク
チケット情報:
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