2022年3月16日 12:00
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』M・リーブス監督が魅了されたテーマとは?
その中で彼はどう立ち向かうのか? 自分のアイデンティティや過去に向かい合う。そして、完全に消え去ることはないにしても、自分をいやしたり、心の傷から立ち直ろうとする。犯罪を一瞬にして消し去ることはできなくて、少しずつ減らしていくしかないという点も現実の世界と同じですよね。バットマンの神話がとても面白いのは、根本的にこの物語がとても人間的だからだと思います」
多くのヒーロー映画では、悪人が出現して街を壊滅させるか、人類を破滅させるかの計画を立て、そのことを知ったヒーローが最悪の計画を“未然に防ぐ”ために戦う。しかし『THE BATMAN-ザ・バットマン-』では悪いことはすでに起こっている。映画のファーストカットからリドラーの計画はすでに始動しており、ブルース・ウェインは自分が生まれるよりも前か、幼少期に起こった出来事によって苦しめられる。
最悪の事態は止められない、すでに起こっている、完全になくすことはできない。その時にヒーローはどう立ち向かうのか? そこで起こった感情にどう向き合うのか? 本作はこれまでのヒーロー映画にはない問題を全面に押し出した作品になった。
「危機はバットマンの中にあります。