現代陶芸家ニーノ・カルーソ 没後世界初の回顧展が京都で開催
日本との関わりも深い、イタリアを中心に活動してきた陶芸家ニーノ・カルーソの回顧展『記憶と空間の造形 イタリア現代陶芸の巨匠ニーノ・カルーソ』が、京都国立近代美術館で1月4日(土)から2月16日(日)まで開催される。
2017年にニーノ・カルーソが亡くなってから、この展覧会が世界初の回顧展となる。1950年代から制作を始めて以降、晩年までの92点の代表作、デザインワーク、スケッチなどを紹介する。カルーソの作品は、素材が陶磁に留まらず、鉄やセメント、グラスファイバーなどを用いて、神話性や象徴性をテーマの一つにしてきた。
この展覧会は、5つのコーナーで構成される。「アルカイックシリーズ」は、紐作りで成型してざらついた質感の釉薬、人体を思わせるフォルムと装飾が特徴で、1960年代中ごろまで手掛けていた。また、「鉄の彫刻」は、50年代から60年代にかけて意欲的に制作した、切り取られた鉄板の断片で構成される作品だ。
続いて、発泡スチロールでつくった複数のパーツを構成したものを原型とし、鋳込み技法で制作した「デザイン」、発泡スチロールの雄型・雌型を上下左右に組み合わせた「モジュラー彫刻」、「夢の記憶」