2023年9月1日 07:00
イプセンの知られざる傑作に挑む森田剛。「言葉の裏にあるものを探って表現したい」
稽古場で栗山さんがどんな言葉で演出されるのかというのもすごく楽しみですね。
──演出家の方によって自分の芝居が変わる感覚があったりもしますか。
舞台をやるときは毎回、演出家の方に引き出してもらっているなという感覚があります。ただ、そこには信頼関係が必要だし、ある種の精神力が必要ですけど。
──信頼関係はいつもどんなふうに築いていらっしゃるんですか。
どうやっているんだろう(笑)。基本的に舞台の本番って、出ている役者のものという感じがするんですけど、本番までは、演出家の言葉がすべてだと思って僕はやっているから、そこで信頼関係が築けているのかなという気がします。演出家に限らず共演する方とも、お芝居を作っていくにはお互いを尊重することが大切なんですよね。
ただ、それと同時に、自分がこれは役に必要なことだと思えば、ちゃんと意見を言って納得してもらえるように戦うことも必要で。あきらめずにコミュニケーションを取っていくことも、信頼関係につながるんだと思います。
──もうひとつの精神力というのは?
稽古の最初はできないところからスタートしますから、恥をかいたり、嫌だなと思うようなことがいろいろ起こるんです。