小川菜摘、なだぎ武らを迎えて空晴の代表作『ボクのサンキュウ』を上演
イクメン。そんな言葉がまだ世に浸透していなかった2002年、大阪の劇団ランニングシアターダッシュ(2005年解散)の企画公演で上演された『ボクのサンキュウ』。女優の岡部尚子が初めて作・演出を手がけたこの作品は、男性が育児に奮闘する姿をコミカルに描き、これまで“体育会系の青春もの”を上演してきた同劇団の異色作として反響を得るものに。その後も、岡部が立ち上げた劇団「空晴」などで繰り返し上演されてきたが、今回、新たな改訂版としてプロデュース公演で上演される。
舞台は男性社員寮「希望荘」。男であると噂される女性オーナーや頑固者の管理人、寮母ならぬ寮父(?)らと、さまざまな年齢の独身男性が暮らしている。彼らはそれぞれに、恋人や母親、友達、義兄らとの悩みを抱えていた。
ある日、希望荘に置かれたカゴの中に、赤ちゃん、ではなく赤ちゃんの人形が。とある提案から、住人たちはその赤ちゃんの人形をお世話することに。慣れない育児、初めての育児経験は、彼らの悩みや思いに変化をもたらしていき……。
今回の上演ではタイトルに句点「。」が付くが、「これで一旦終わる今現在の最終形態という意味合いを含ませました」と岡部。