ハナレグミ『THE MOMENT 2026』追加公演、スペシャルゲスト内田也哉子&中納良恵(from EGO-WRAPPIN')を迎えたプレミアムライブのオフィシャルレポート到着
Photo:横山マサト
ハナレグミのプレミアムライブ『THE MOMENT 2026』追加公演が、2月1日東京国際フォーラム ホールAで開催された。
2020年よりスタートした特別な編成で開催されるハナレグミのプレミアムライブ『THE MOMENT』。タイトルの由来は永積がこれまでに積み重ねてきたキャリアの中で、その時々に“音楽からもらった感動の瞬間”を思い起こし、このツアーで“オーディエンスと音楽を通じた感動の瞬間を共有”すべく名付けられた。
3度目の開催となる今回は、2025年12月に行われた東京公演のソールドアウトを受け、急遽追加公演が決定。LITTLE CREATURESの鈴木正人氏率いるバンドに美央ストリングスとホーンを迎え、スペシャルゲストに内田也哉子と中納良恵(EGO-WRAPPIN’)を招いた特別編成で開催された。
ホイルカーテンが一面に煌めくラグジュアリーなステージ。“追憶”をテーマにしたライブはボ・ガンボス「魚ごっこ」のカバーからスタート。永積の伸びやかな歌声が会場に響き、心地の良いテンポの演奏に合わせて会場が弾む。
まるで音と遊んでいるような無邪気さのある1曲に、会場はさっそく盛り上がりを見せる。続いて披露されたのは、自身がゲストボーカルとして参加した東京スカパラダイスオーケストラ「追憶のライラック」。トランペットの軽やかな音に合わせ、永積のリラクシングな歌声が響く。
ボブ・ディランの代表作のひとつであり、自身が落ち込んでいる時に歌うと心が晴れるという楽曲「Don’t Think Twice, It’s All Right」は盟友・おおはた雄一による日本語訳詞を、飾り気のない自然体のギター弾き語りで披露。丁寧に奏でられた一音一音と永積のあたたかく深い歌声が重なる印象的なパフォーマンスとなった。続くのは映画『モダン・タイムス』でチャールズ・チャップリンが作曲した名曲「Smile」。弦カルテットとサックス、トランペットが奏でる贅沢な音色に溶け合うように歌を重ねる永積。心の底があたたかくなる時間に拍手が送られた。
実家にあった井上陽水「氷の世界」のレコードを手にし、幼き頃の家族とのエピソードを語る永積。クラップと永積のボイスパーカッションがエネルギッシュに絡み合う、ダンサブルなアレンジで「氷の世界」を披露した。続いてハナレグミのカバーといえば知る人も多いであろう「ウィスキーが、お好きでしょ」をジャズ・アレンジで演奏。弾むピアノとトランペットで会場はムードたっぷりな空間と化した。
ストリングスがほのかに響く中で登場したのは、スペシャルゲストの内田也哉子。波紋のように広がっていくストリングスに相重なって「線画」が披露される。永積の儚くも凛とした歌声に掛け合うように内田は詩を朗読する。新たな表現を確立したハナレグミの楽曲体験に観客は没入する。
さらに、内田のリーディングが導入となり演奏されたのは「家族の風景」。ドラマチックな楽曲の世界に内田の紡ぐ詩が加わり、ノスタルジックでハートウォーミングな雰囲気で包まれた。
本編も終盤に差し掛かり「Peace Tree」でさらに会場の温度を上げる。「雨上がりのGood Day」の弾けるイントロが鳴り、ハンドマイクを手にした永積は縦横無尽にステージを行き交いながらフロウを刻む。会場からは自然と手拍子と歓声が沸き起こる。
心地の良いリズムに合わせて中納良恵(EGO-WRAPPIN’)がステージに現れ、ジミー・クリフの「I Can See Clearly Now」をホリー・コールのアレンジで披露。爽やかなメロディ、中納の情熱的な声と永積の深くあたたかい声が心地よく混ざり合う。CDを出す前からの付き合いがあり、お互いの“独自”の音楽をリスペクトしながら同じ時間軸で音楽の道を歩んできたというふたり。
続くのは2020年に初めて開催された『THE MOMENT』のために書き下ろされた楽曲である「独自のLIFE」。ファンクネスでパッションが溢れる楽曲を中納と永積が高らかに歌い上げ、会場は興奮のるつぼと化す。突如ステージが赤く染まったかと思えば、力強いホーンと共にEGO-WRAPPIN’「GO ACTION」がスタート。会場は熱狂に包まれた。まさに中納とハナレグミの独自性が際立ちながらも融合と爆発を引き起こしたパフォーマンス。最後に「みんなで歌いましょう!」と「独自のLIFE」が再スタートし、くるくると変わるステージに会場が沸いた。中納がステージを後にし、永積は勢いをさらに加速させるように「オリビアを聴きながら」を力強く歌いきる。熱狂と大歓声の中、本編を締め括った。
鳴り止まない拍手と歓声の中、アンコールで永積が再びステージへ現れ、内田に影響を受けて紡いだという詩をリーディング。それに繋がるかたちで「深呼吸」を披露。ホーンが清々しく鳴り響き、朗々とした歌声を届ける永積を客席は息をのむように見つめる。再びゲストの内田がステージへ登場。MCでは、次に披露する楽曲「Still Crazy After All These Years」のポール・サイモンのルーツであるニューヨークが話題に。「音でニューヨークの街を作ってみよう」と、ストリングスではタクシーの音を、ホーンではハドソン川を進む船の汽笛を奏でる。会場がニューヨークの街と化すと、「Still Crazy After All These Years」を披露。内田のリーディングと永積の歌声が織りなす幻想的な時間が流れる。
さらに中納もステージに登場し永積と共に歌声を響かせる。会場からはあたたかい拍手が送られ、大歓声の中『THE MOMENT 2026』の幕を閉じた。
ハナレグミが新境地を開いたライブとなった『THE MOMENT』。2025年12月にはこのライブの開催にちなみ、同名のカバー&セルフカバーEP『THE MOMENT』が配信リリースされている。本公演で披露された楽曲も収録している必聴の一枚だ。
当時CDのみで発売されたカタログアルバムのアナログリイシュー完結編となる第三弾が1月28日よりスタートし、3月には横浜赤レンガ倉庫を舞台にコンドルズの近藤良平と共におくる人気シリーズ『great journey』を開催するなど、今年もハナレグミ・永積崇に要注目の1年となる。
<公演概要>
『THE MOMENT 2026』追加公演
2026年2月1日 東京国際フォーラム ホールA