【おとなの映画ガイド】ゲーマーがプロのレーサーに! 夢のような、でも実話の映画化──『グランツーリスモ』
最大級の危機にも直面し、周囲のバックアップと死に物狂いの努力の末に栄光を勝ち取る。まさに王道のスポーツ映画。米映画サイトCinemablendは「レースカーが出てくる『ロッキー』」と評している。
監督は、エイリアンが地球に住み着いてしまうSF『第9地区』で知られるニール・ブロムカンプ。実は、日産のGT-Rを3台も所有する大のクルマ好き。この作品でもっともこだわったのは、現実世界、つまり、究極のリアルさだ。
走行シーンの撮影は実際のサーキットで、本物のレーシングカーが使われた。スロバキア・リンク、ドバイ・オートドローム、オーストリアのレッドブルリンク、ハンガリーのハンガロリンクではル・マンのレースシーンも撮影されるなど、モータースポーツファンならよく知るコースが多数登場する。
車両もさまざま。
極めつけは、実際のヤン・マーデンボロー本人が、スタントドライバー役をつとめていることである。
撮影方法もかなりのこだわりようだ。コックピットの内外から「高速で追いかける車のフロントの低い位置にあるリモートヘッドのカメラを使い、地面の上、数センチの所から外側を撮ることで、競り合う車同士のスピード感が非常によく伝わる映像が撮れた」