オペラが始まる! 新国立劇場《ウィリアム・テル》稽古初日レポート
10月にベッリーニの《夢遊病の女》で開幕した新国立劇場のオペラ2024/25シーズン。今季ふたつ目の演目はロッシーニの大作《ウィリアム・テル(ギヨーム・テル)》の新制作プロダクションだ。10月下旬に行なわれたその立ち稽古初日、冒頭の顔合わせと演出コンセプト説明会の様子が報道陣に公開された。
「久しぶり!」
「ご無沙汰してます」
「よろしくお願いします」
新国立劇場の地下にあるリハーサル室。歌手たちが入ってくるたびに、笑顔で挨拶を交わす光景があちこちで見られる。
キャストが一堂に会するのはこの日が最初。いよいよ始まるという、いい緊張感も感じられる。
撮影:堀田力丸
定刻となり、指揮者、演出家、舞台スタッフ、音楽スタッフ、クリエイティブスタッフ、そして歌手たちが紹介されたあと、芸術監督であり、当公演の指揮者でもある大野和士からひとこと。歓迎の挨拶もそこそこに、大野の考える作品のポイントが英語で語られた。
まず最初に挙げられたのが、この作品における合唱の重要さ。壮麗な、また動的な音楽を歌う合唱は非常に印象的。それだけでなく、合唱とソリストのコントラストも重要で、合唱は多くの役を演じ、さまざまな場面のベースを作ったあとにソリストが登場する。