2021年8月30日 14:30
ノゾエ征爾演出の、現代に問いを投げかける衝撃作! 『物理学者たち』ノゾエ征爾×草刈民代×温水洋一インタビュー
撮影:源賀津己
看護婦殺しというサスペンスを基調としつつ、時に笑いを交え、さらには“核”をめぐる人間の欲とエゴまでをもあぶり出す、フリードリヒ・デュレンマットの代表作『物理学者たち』。本作が、ワタナベエンターテインメントによる新企画「Diverse Theater」の第1弾として上演される。そこで上演台本・演出・出演を担うノゾエ征爾と、キャストの草刈民代、温水洋一に話を訊いた。
舞台は、とあるサナトリウムの精神病棟。その院長を草刈が、患者で、通称ニュートンを温水が演じる。ノゾエにふたりに期待することを聞くと、「なんか健康的じゃない…」と意外なひと言。「すごく語弊がありますけど」と笑いつつ、「健康的というのはわかりやすいという意味で。そう捉えるとおふたりは非常にわからない部分が多い。
僕にとってそれは惹かれる要素であり、この人物としてもとても大事なことだと思います」と続けた。
サナトリウムで起きた二度の殺人事件。物理学者である患者と施設を守ろうとする院長を演じる草刈はこう語る。「責任ある立場であり、それが当たり前だと思われていた人が、実は…って光景、私たちが生きている中でもよく見ると思うんです。