岸井ゆきの初カンヌで感涙! 映画『すべて真夜中の恋人たち』4分間のスタオベに浅野忠信も歓喜
(C)Kazuko WAKAYAMA
岸井ゆきのが主演を務める映画『すべて真夜中の恋人たち』が、2026年秋に全国公開を迎える。この度、フランス・カンヌで開催中の第79回カンヌ国際映画祭に岸井、浅野忠信、そして監督・脚本を手がけた岨手由貴子が登場した。
原作は、2008年に『乳と卵』で芥川賞、2019年に『夏物語』で毎日出版文化賞を受賞した川上未映子による初の恋愛小説。人との関わりを拒み孤独に生きてきたフリーの校閲者・入江冬子(岸井)は、ひょんなことから年上の物理教師・三束(浅野)と出会う。冬子は三束と交流を深めていく中で、自らの孤独や感情と向き合っていく。
本作は同映画祭の「ある視点」部門に正式出品されており、現地時間5月17日の朝には本作の公式上映を実施。公式上映に先駆けて行われたフォトコールでは、この日のために世界にひとつだけのオーダーメイドで作られた黒いスーツに身を包んだ岸井、シックなスーツ姿の浅野に加え、背中に大胆なカットアウトが入ったアルマーニのドレスを着用した岨手監督が登場。海外の報道陣に囲まれ、南仏の爽やかな空に映える眩しい笑顔を見せた。
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直後に映画祭のメイン会場のひとつであるTHEATRE DEBUSSY(ドビュッシー劇場)で実施された公式上映で3名は、満席の客席から大きな拍手で出迎えられた。上映前の舞台挨拶で岨手監督は「初めてカンヌ国際映画祭に参加します。今日、ここで作品を観てもらえることが本当に本当に幸せです。よろしくお願いします」と期待と緊張が入り混じりながら端的にコメント。「もっと話していいのに」という司会に対し、「映画が長いのでコメントは短くしました」と岨手監督がきっぱりと返答し、会場は和やかな笑いに包まれた。
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上映中は、大きな笑いと、感嘆にも似たため息が何度も漏れ聞こえ、息を呑むように観客たちはスクリーンに釘付けに。上映が終了すると、劇場の中央に座る3人に向けて約4分間にわたる「ブラボー!」の声とスタンディングオベーションが沸き起こった。カンヌ映画祭への参加が初となる岸井は笑顔ながらも目に涙をため、そんな岸井を岨手が手繰り寄せて熱い抱擁を交わした。
また2階から聞こえる大きな「ブラボー!」の言葉に、浅野はガッツポーズで応えた。
上映後には、日本メディア向けに囲み取材を実施。まずはワールドプレミアをカンヌで迎えた感想を問われると、岸井は「どんなふうに伝わるのかなと緊張していましたが、素直に映画を受け取ってくださっていてうれしかったですし、とにかくほっとしました」とコメント。
浅野は「僕の中で三束という役は未だぐるぐる回っているような、どこに向かっているのか分からない存在だったのですが、先ほど皆さんと一緒に鑑賞してようやくなにかに辿り着けた気がしました。オープニングで自然に涙が流れ、終わった後も涙してしまいました。とても感動しました」とスクリーンを通じて役が昇華された瞬間の高揚感を吐露した。
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岨手監督は「三大映画祭に参加する人生になるとは思ってもみなかったので、選出の知らせを聞いたときは本当に驚いたのですが、今日ようやく“カンヌに来たんだ”と実感することができました。観客の皆さんと、そして隣にいる俳優部の皆さんと、全員立場関係なく一緒に映画を観ることが新鮮で、はじめは緊張していましたが、最後には皆と同じ目線で見ることができました」とそれぞれの言葉で喜びを明かした。
今後日本映画界を担うひとりとして活躍が期待される岨手監督に対し、今の日本映画界が抱える課題について問われると、「私は現在金沢に住んでいますが、東京に居続けないと映画が撮れないというイメージは変えていきたいと思っています。地方でも、日本じゃなくても好きなところに住んで多様な経験をして、その経験を生かして豊かな映画を作っていけたら良いですよね。そんなひとつのサンプルに、自分がなれていたらいいなと思っています」とコメント。
今年のカンヌの「ある視点」部門は、20本中11本が女性監督作品であることにちなみ、女性監督の活躍について話がおよぶと「やっと男女比の過半数を超えた、という意識はなく、面白い映画が選ばれるのは自然なことだと思っているので、特に意識はしていませんでした。最近は日本でも女性の若手監督が非常に増えてきていますし、呉美保監督のように出産を経て復帰される方もいらっしゃり、子どもがいるいないやライフプランに関わらず、いろんな経験をした人が、それぞれの映画を持ち寄る映画界が私の理想です。私もやっと子どもたちが手を離れてきたので、もっといっぱい撮っていきたいなと思っています」と意気込みを明かした。
翌18日には3名がレッドカーペットに登場。「上映は昨日終わってホッとしたところなので、チームの皆さんと楽しんで歩きたいと思います」(岸井)、「どれくらいの人がいるのか想像がついていないですが、華やかな場所に連れてきてもらえて、レッドカーペットを歩けるのがとてもうれしいです」(浅野)とそれぞれ昨日の公式上映時とは異なり、リラックスした表情を見せていた。
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いざイベントが始まると、この日は午後から小雨が降り続くあいにくの天気だったが、開始直前に収まり、空には大きな虹がかかった。絶好のレッドカーペット日和の中で、岸井は前日のスタイリッシュなパンツスーツ姿から一転、一輪の花のようなルイ・ヴィトンのピンクのドレスとジュエリーをまとい、可憐な姿で登場。その華やかな佇まいに、会場からはひときわ大きな歓声があがった。
浅野もルイ・ヴィトンのタキシードをスマートに着こなし、各国メディアの呼びかけに柔らかい笑顔で応じ、国際的な俳優としての存在感を示した。岨手監督も、アルマーニの煌びやかなドレスに身を包み、ショーメのジュエリーを輝かせ、喜びがにじむ晴れやかな表情でレッドカーペットを歩んだ。3人は時折言葉を交わしながら歩みを進め、作品のチームワークの良さを感じさせた。
本作が出品されている「ある視点」部門の授賞式は、現地時間5月22日(金)に行われる予定だ。
<作品情報>
『すべて真夜中の恋人たち』
2026年秋公開
公式サイト:
https://www.bitters.co.jp/subemayo/
(C)2026『すべて真夜中の恋人たち』製作委員会