一夜限りのコンサート 井上芳雄&中川晃教『僕らこそミュージック』開催
2002年以来上演が重ねられている、ミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイ作、小池修一郎演出の人気ミュージカル『モーツァルト!』。直近の公演(2018年)では、今や“朝ドラ俳優”となった山崎育三郎と古川雄大がWキャストで務めたタイトルロールの、日本版オリジナルキャストが井上芳雄と中川晃教だ。
今や押しも押されぬミュージカル界のトップランナーとなったふたりだが、初演当時、井上はまだデビュー3年目で主役は未経験。中川にいたっては、シンガー・ソングライターとしてはデビューしていたものの、ミュージカルには出演したことすらなかった。日生劇場、シアター・ドラマシティ、そして帝国劇場で上演される作品の主演に、そんな未知数のふたりを据えるとは——。考えれば考えるほど大冒険のように思えるが、小池修一郎の英断は吉と出て、作品は高い評価を受け、ふたりはスター街道を駆け上がっていった。
中川は2007年公演、井上は2014年公演をもってヴォルフガング役を卒業。同じ役を演じながらも個性は対照的だったふたりだけに、卒業後にそれぞれが演じた役もバラバラで、今ではこのふたりがWキャストになれる役など簡単には思い浮かばない。