藤原季節「この物語にすごく救われた」映画『DIVOC-12』インタビュー
去年、最初の緊急事態宣言が出たときに、家でずっと高倉健さんの映画を観ていたんです(笑)。その中に富司さんが出演されているものもあって、「素晴らしい女優さんだ」と思っていた矢先だったので、そんな伝説の方とご一緒させてもらえる、と思うと、体が震えました。実際にお会いしてみるとすごく優しい方でした。
そして、完成した映画を観たときには、富司さんがあまりに軽やかに冬海さんを演じられていたことに驚きました。リアリティがあって、たくましくて、軽やかなんですよね。そんな冬海さんが何かを変えようと考えるから、歩に連絡をしたんだろうな、って。辛くてどうしようもない人が何かを変えようとするのではなくて、たくましく生きているけど「焼肉食べたい」「ハーゲンダッツ食べたい」と思ったときに、人生を変えようとするのが、この『よろこびのうた』らしいなと思いました。
――富司さんとほぼ2人きりの撮影だったと思いますが、そこで感じたことはありますか?
撮影中は隣にいるのが富司さんというより、冬海さんという印象が強かったです。
だから僕もずっと歩としていられました。なので、変な緊張感とかはなかったです。
三島有紀子監督作品「よろこびのうた Ode to Joy」