くらし情報『狩野派の襖絵や浮世絵、工芸まで儒教思想を映し出した美術作品を紹介『儒教のかたち こころの鑑』サントリー美術館で』

狩野派の襖絵や浮世絵、工芸まで儒教思想を映し出した美術作品を紹介『儒教のかたち こころの鑑』サントリー美術館で

重要文化財二十四孝図襖伝 狩野永徳十四面のうち天正14年(1586)南禅寺 【通 期展示・面替えあり】


紀元前6世紀の中国で誕生し、4世紀に日本に伝来した儒教は、古代から近世に至るまで様々なかたちで受容され、美術作品にも反映されてきた。それぞれの時代や立場の人々が求めた「心の理想」、すなわち「鑑(かがみ)」となる思想が示された儒教の教えが、日本美術にどのように表されてきたのかをたどる展覧会が、11月27日(水)から2025年1月26日(日)まで、東京・六本木のサントリー美術館で開催される。
儒教とは、孔子が唱えた教説と、その後継者たちによる解釈を合わせた思想のこと。孔子の思想は、「仁・義・礼・智・信」の五常による道徳観を修得・実践して聖人に近づくことを目標とし、徳をもって世を治める人間像を理想としている。そのため、儒教は古代以来、為政者のあるべき姿を学ぶ学問として享受されてきた。さらに中世には、南宋で確立した新しい儒教思想の朱子学を禅僧たちが熱心に学んだことから、禅宗寺院でも儒教が重要視され、また近世以降は、江戸幕府が儒教を積極的に奨励したことから、儒教を基礎とした教育が武家から民衆、子供に至るまで、身分を問わずに広く浸透していった。
狩野派の襖絵や浮世絵、工芸まで儒教思想を映し出した美術作品を紹介『儒教のかたち こころの鑑』サントリー美術館で

孔子像伝 戴進一幅中国・明時代15〜17世紀公益財団法人斯文会 【展示期間:11/27〜12/23】
同展では、為政者たちのために描かれた絵画や、画僧たちの儒教学習の成果が現れた名品群、さらに江戸時代の障屏画や浮世絵から漆器などの工芸の名作まで、多彩な作品が紹介される。

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