東京では27年ぶり。動物画の巨匠・山口華楊の大回顧展がSOMPO美術館で開催
大正から昭和にかけて京都画壇で活躍した日本画家・山口華楊(やまぐち かよう)の東京では27年ぶりの回顧展が、7月11日(土)から8月30日(日)まで、東京・新宿のSOMPO美術館で開催される。
京都の友禅職人の家に生まれた山口華楊(1899–1984)は、動物画を得意とした日本画家・西村五雲(1877–1938)に入門後、京都市立絵画専門学校に入学。17歳で文展に初入選し、官展を中心に展覧会への出品を重ねていく。自身も主に動物を主題とした作品で評価を高め、五雲の亡き後は、五雲の画塾であった晨鳥社(しんちょうしゃ)を上下関係を定めない研究団体として再興。京都画壇を代表する画家の一人として活躍し、1981年には文化勲章を受章している。
《葉桜》1921年絹本彩色167.4×271.5cmSOMPO美術館
同展は、京都画壇を語るうえで欠かせない存在ながら、東京では1999年の銀座松屋での回顧展を最後に、まとまって紹介される機会のなかった華楊の画業を通覧するもの。会場のSOMPO美術館は、華楊の初期・中期・後期を代表する作品《葉桜》《猿》《幻化(げんげ)》を収蔵しており、今回はその3点を6年ぶりに一挙に公開するとともに、この代表作を核として、写生の技術と表現力を磨いた初期から、表現力の探究を進めた中期、そして「偉大なる動物画家」として大成した後期までの華楊の歩みをたどることになる。
《猿》1959年紙本彩色146.5×116.0cmSOMPO美術館
見どころのひとつは、親しみやすい動物画が並ぶこと。
犬や鹿、牛、狐、ライオン、猫、兎、鳥などさまざまな動物画があるが、いずれの作品にも華楊の動物への慈しみの情が反映されている。くつろいだ姿のかわいらしい動物の姿も多い。そんな魅力的な動物画が集合する会場ではまた、夏休み企画らしく、幅広い世代が楽しめる演出も計画されている。
動物画家としての地位を確立した華楊だが、植物の表現にも長けていた。華楊自身も、もともとは自らを花鳥画家として認識していたといい、同展では、豊かな生命感をたたえた初期作から、様式化が進んだ後年の作品まで、植物を描いた瑞々しい絵にも焦点をあてている。
《小下絵貼り交ぜ屏風》1947-81年頃紙、鉛筆、色鉛筆、パステル、顔料ほか169.0×370.2cm京都国立近代美術館
そのほか、華楊の動物画の「かわいさ」の理由を探るコーナーや、扇面や下絵などの小品を紹介するコーナーもある。京都画壇の重鎮だった画家の充実した作品群を、東京の地で堪能したい。
<開催情報>
『開館50周年記念山口華楊展』
会期:2026年7月11日(土)~ 8月30日(日)
会場:SOMPO美術館
休館日:月曜、7月21日(火)(※ただし7月20日は開館)
時間:10:00~18:00(※金曜は~20:00)、最終入場は閉館の30分前まで
料金:一般(26歳以上)1,600円、25歳以下1,100円、高校生以下無料
公式サイト:
https://www.sompo-museum.org/
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2669205(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2669205&afid=P66)