くらし情報『諏訪内晶子が新たな愛器でチャイコフスキー協奏曲』

2023年6月8日 18:00

諏訪内晶子が新たな愛器でチャイコフスキー協奏曲

とくに今回は、彼女にとって新たなチャイコフスキーになる。

「グァルネリ・デル・ジェズ『チャールズ・リード』(1732年製作)で演奏します。デル・ジェズでチャイコフスキーの協奏曲を弾くのは今回が初めてです」

20年をともにした愛器ストラディヴァリウス「ドルフィン」(1714年製作)からグァルネリ・デル・ジェズに変えたのは2020年末のことだった。

「チャールズ・リードという19世紀のコレクターが所有していたデル・ジェズです。調べたところによると、ヘンレ版のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの校訂もされたマックス・ロスタルさんが8年間弾いていらっしゃったのですが、あとはあまり弾かれることもなく、良い状態です。

ドルフィンとの大きな違いは、低弦のつややかさでしょうか。この協奏曲は出だしから(低弦の)G線ですし。私には、ストラドは倍音が透き通っていて、“通る”というイメージがあります。
一方、デル・ジェズはふくよかでつややか。耳元に聴こえてくる音も、骨に伝わってくる振動も、鋭さではなく、深いところで振動しているという感じがします。ロマン派の協奏曲にはぴったりだと思います。

楽器が変わったことで、解釈も根本的に変わりますね。

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