2024年4月23日 10:30
『オッペンハイマー』公開記念トークイベント開催 平野啓一郎「現時点でのノーランの集大成」
『オッペンハイマー』の日本でのヒットを記念し、4月19日に公開記念トークイベントが実施された。
スペシャルゲストには、「現時点での最高傑作かもしれない。史実に基づきつつ、過去作の様々な主題が緻密に、重層的に構成されている」とXに投稿した芥川賞受賞作家の平野啓一郎(『マチネの終わりに』『ある男』『本心』)、日本公開前に『オッペンハイマー』を観るためオーストラリアを訪れ、「核実験の場面の恐怖と迫力だけでなく量子や宇宙のイメージと心理の過剰なカットバックは人間に興味が増してきたノーランの新境地」と語り、既に4回も鑑賞済みのXXCLUB 大島育宙が登壇。ふたりは、クリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』をどう受けとめたのか、イベントレポートをお届けする。
上映終了後、興奮冷めやらぬ観客から盛大な拍手で迎えられたふたり。幅広い年代層の男女に『オッペンハイマー』の鑑賞回数を尋ねると、初鑑賞が最多ながら、2回目、3回目でも手があがり、中には4回、5回目という猛者も。
映画の感想を問われた平野は、『オッペンハイマー』は「現時点でのノーランの集大成。出世作の『メメント』以降取り組んできた主題が作品のなかでトレースされている」