2021年10月10日 19:30
鬱屈しがちな今だから観たい、心が弾む要素に満ちた舞台 京本大我主演ミュージカル『ニュージーズ』開幕
写真提供/東宝演劇部
1899年のニューヨークで実際にあった、新聞売りの少年たち(=ニュージーズ)によるストライキに着想を得た同名映画(1992)を原作に、2011年にミュージカル化されブロードウェイで大ヒットを記録した『ニュージーズ』。その初となる日本版が、小池修一郎を演出に、京本大我を主演に迎えて日生劇場で上演されている。初日公演を夜に控えた10月9日、同劇場で行われたゲネプロを取材した。
原作映画も舞台もかのディズニー製作であり、音楽はアラン・メンケン(『美女と野獣』『アラジン』)、舞台の脚本はハーヴェイ・ファイアスタイン(『キンキーブーツ』『ラ・カージュ・オ・フォール』)とあって、オリジナル版の面白さはもとより折り紙付き。いきおい小池演出とのケミストリーに注目が集まったわけだが、この相性が実に良い。舞台を左右にも上下にも広く使って登場人物たちの躍動感を何より強調する演出が、重めの社会的テーマの中にもどこかファンタジックな味わいがある脚本とピッタリ合致し、とにかく観やすいのだ。
そんな小池演出の最大の“勝利ポイント”と言えるのがキャスティング。わけても、主人公ジャック役の京本大我が目を見張るパフォーマンスを見せている。