新国立劇場《蝶々夫人》"理想の蝶々さん"小林厚子がいよいよ登場
レッジェーロで声帯の短い人は出来上がるのが早いと言われていますが、私の大学時代は、オペラのような大きなものを歌うことはなく、先生がくださるヘンデルやヴィヴァルディなどの古典やイタリア歌曲を勉強する毎日でした。
ですからようやく少しずつオペラを歌えるようになっても、頂くどの役も『初めまして』でしたが、この劇場でたくさんの役を勉強させていただきました。のんびり屋なので、ゆっくりゆっくり。これからも勉強が終わることはありませんが、先生方、劇場、そして周りの皆さまが導いてくださっていると感謝しています」
先述のように、《蝶々夫人》は新国立劇場で最も多く上演されている演目。現在創立28年目のシーズンを迎えている同劇場で、昨季までに53公演の上演実績があり、ここに今季4公演が加わることになる(ちなみに第2位は《カルメン》で、51公演+今季5公演)。さらに、毎夏に行われている「高校生のためのオペラ鑑賞教室」は実にその約4割(59公演)が《蝶々夫人》なので、合計すると断トツ。累計約20万人が鑑賞している、まさに劇場を代表するオペラが《蝶々夫人》なのだ。
小林以外の主要キャストは、ピンカートン:ホセ・シメリーリャ・ロメロ(テノール)