2021年6月8日 18:00
【峯田和伸×三浦大輔】相思相愛ロング対談 後編「今回で“峯田くんの見え方”が変わるかも」【物語なき、この世界。】
っていう。ちょっと寂しいんですよ。「三浦さんの作品なら、絶対なんでも出てみたい」とかではないですよ。でも、その一方で自分が関わっていない三浦さんの作品を知って寂しく思うことがあります。不思議なんですよね。それくらい刺激を受けているってことですね。
人間のエゴで「物語があるように見える」ことで世界が動いている
――肝心の『物語なき、この世界。』のストーリーはどんなものなのでしょうか。
三浦目標点としては「『人間のエゴでしかないんじゃないか』というところをほじりたい」と思っています。
みんな自分の人生にとってのドラマや物語があると信じていると思うんですけど、見方を変えれば物語なんてない。それなのに、人間のエゴによって「物語があるように見える」ことで世界が動いている……そんなところを描きたいと思っています。
――例えばSNSとかだと、みんな主人公みたいになっていますよね。「オンリーワン」気分というか。でも、そうじゃない人もいて、そういった「世間の皮」みたいなものをペロッと剥がした世界を描かれるのかなと思いました。
三浦別にたいしたこともないのに物語を取りたがる人の滑稽さ、おかしさ、醜さを描くことに重心を置くと、確かに描きやすいです。